The Goal

今更読みました

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ユニコ社という企業の経営が傾きつつある中で、特に問題があると判断された工場でのお話。その工場のプラントマネージャが工場を立て直すまでの経緯、手法etcがストーリー仕立てで展開していきます。

本書はTOC(Theory of Constraints)という経営手法に則って工場に潜在する問題、さなかで発生問題を改善していきます。TOCとは簡単に書くと、組織のあるゴールに対してのボトルネックスループットを上げることによって、全体のスループットを上げること。

主役のプラントマネージャは工場を再生させる手段がわからず、悩んでいるところである物理学者に出会います。物理学者からTOCの基本的な考え方を学び、工場がどうやって利益を出せるようになるか、本社が納得できる結果を出せるようになるかを工場の社員たちと考えます。工場では問題ではないと思われていたところがボトルネックであることがわかり、問題だと思っていたことが実はそのボトルネックから派生していることを発見したり、TOCの基本的な考えを元にいかに工場が再生していくかが書かれています。

 

自己啓発書的な感じではありますが、ストーリー単純でなかなか展開が面白かったです。

 

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ちなみにザ・ゴール2という本がありますが、こちらはつまらないです。。話の内容がTOCに関してばかりになってしまっていてストーリー展開がつまらないです。 

 

そもそもTOCという考え方は浸透しているのでしょうか。もし企業が株主のモノであるならば、全体最適でなく部分最適、長期的な目標より短期的な目標の達成のほうが大事になってしまわないでしょうか。株主の考えがお金を儲けることが前提ですが、、

 

ザ・ゴールはビジネス書としてではなくて、小説的な感じで読めば面白い本だと思います。

20歳のときに知っておきたかったこと

発売当初に買ったものを読み直してみました。

前回読んだときは確か夢持つ若手社会人だったので、とにかく羨ましいなぁとかスタンフォード行きたいなぁとかそんなこと考えながら読みました。

 

今回は社会人になって5年以上たってもう一度読んでみましたが、改めて良い本だと思いました。

最初の章が一番良いので、立ち読みで良いからそこだけでも読んで欲しいくらい

出だしは次の一文から始まります。

 

「いま、手元に5ドルあります。2時間でできるだけ増やせと言われたら、みなさんはどうしますか?」

 

これはスタンフォードの学生に実際に出された課題だそうです。

そもそも5ドルなんかじゃ何もできない、5ドルでできることは何か、といった発想ではなく、身の回りの課題の解決に取り組む組んだチームは600ドル以上増やすことに成功しました。本書は失敗に関することや、視野を広げることについて、著名なCEOなどの例やスタンフォードの学生の実話を元に展開されています。内容自体はとても平易で2時間程度あれば読み終えることができます。

社会人を経験して数年経って、自分のやり方がそれなりに固まってきて、会社のやり方に疑問もあまり抱かなくなってきていた自分にはぴったりの本でした。

 

自己啓発書はどれも言ってることが同じだから読んだって意味ないし、結局読む人は読むことに満足して何もしていない。

そんな考えで毛嫌いしていましたが、数年経ってあらためて読んでみたこの本が思いの外今の自分にとって得るものが多く、自己啓発書ってなんのためにあるのか、ちょっとわかった気がしました。

 

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利己的な遺伝子

生物界では生存競争により淘汰が行われている。

生物学ではこの淘汰に関して2説での論争があったそうです。

ひとつは「群淘汰説」

もう一つは「遺伝子淘汰説」

ドーキンスは後者の賛同者であり、彼の著書『利己的な遺伝子』で「遺伝子淘汰説」を啓蒙しています。

ドーキンスは冒頭で「この本はサイエンスフィクションのように読んでもらいたい」と書いており、とても読みやすい本かと思って読んでみましたが、生物学を学んでいない私からするととっても難しい内容でした。

この本によると淘汰は遺伝子レベルで発生しており、遺伝子がいかに自らと同一の遺伝子が存在し続けれようとするかを様々な生物の例を用い書かれています。

「生物は遺伝子のvehicle (乗り物)にすぎない」という表現が面白いのですが、最初に書いたとおり、この本はサイエンスフィクションとして読むことを勧められています。つまり、読者を内容に引き込むための一表現であり、すべては遺伝子によって決まっていると言っているわけではない。

いかに遺伝子が利他的に働くかを書かくことで、「生物は種の保存、維持、利益、繁栄のために行動する」という群淘汰説を論破しようと試みています。

利己的な遺伝子」というタイトルにある通りリ自らの子孫を残すという意味で利己的になる理由は簡単に想像できます。では、なぜ生物は利他的になるのでしょうか。それはある生物(Aとする)と同一の遺伝子を他の生物(Bとする)が所有しているからであるといいます。本書に簡単で面白い例が記載されていたので、人間を例にもう少し説明します。まず、生まれてくる子供は両親から半分ずつ遺伝子を受け継ぎます。親と自分の兄弟、親と自分の子供はそれぞれ近縁度(どれだけ同じ遺伝子を所有しているか)が同じです。そうすると遺伝子を残し増やす観点からいうと、兄弟も自分の子供も、同レベルの重要さになります。これだと親は子供も兄弟も同様に大切に扱うことになります。ここからちょっと面白いところで、近縁度が同じでも親は自分の兄弟よりも子供を大事にするようです。理由は兄弟よりも自分の子供のほうが平均余命が長いからである、としています。余命が長いということは遺伝子を長く残せる可能性があります。

※遺伝子は他個体内に自分のコピーを認知することができる前提があります。

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